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トレイルランナーから俄然注目を浴び始めた「SKIMO」。山岳スキー競技日本選手権大会レポート

2017.04.27

杉村 航=写真・文

 

 春の陽気に華やぐ4月2日、第11回山岳スキー競技日本選手権大会が開催された。

 舞台は栂池高原スキー場の上部から山岳エリアにかけて。スキー場をスタートし、沢沿いに西鵯(ひよどり)峰をめざして登り、北面の谷に下りて登り返すコース設定。ロングコースは通称「裏ヒヨ」と呼ばれるこの部分を2周する。

 


「カフェテリア栂の森」前から走り出す選手たち。クラス、男女関係なく一斉にスタートとなる

 


スタート直後。ダッシュすると堪えるのだが、上位を狙うには、ある程度いい位置につけておく必要がある

 

 山岳スキーレースは、Ski Mountaineeringを略してSkimoとも呼ばれ、ヨーロッパを中心に盛り上がりを見せている、スキーを使用した山岳競技だ。山中に国境がひしめくアルプスの山岳警備隊の訓練に端を発する。山岳エリアに設定されたコースを(シールをつけ)スキーを履いたまま登り、時には担ぎ、滑走し、を繰り返し、ゴールまでの速さを競う。登りの時間が大半を占めるので体力勝負な部分が大きいが、スキーの滑走スキル、トランジションと呼ばれる道具のモードチェンジなど技術的な熟練度も重要なファクターであり、見どころでもある。

 


最年少は小学2年生。立派にチャレンジの部を完走していた

 

 専用の超軽量な道具、ツアースキーをさらにレース用に特化させたスキー、ブーツ、ビンディングなどは従来のスキーとはまるで別次元。歩くというより走るという表現がしっくりくる。そのぶん滑走技術はかなりテクニックが要求されるのだが、軽く取り回しがいいので、低速なら初心者でも扱いやすい面もある。

 レースはまさに雪上のトレイルラン。世界のトップ選手もスペインのキリアン・ジョルネを始め、トレイルラン、スカイレースで成績を残す選手たちの活躍が目立っている。各国がナショナルチームを作り、ジュニア選手の層も厚くなってきている。

 


晴れ渡った白馬の山並みを背景に、安定した滑りを見せる星野緑

 

 レース当日、ここ数回の大会では稀に見る絶好のレース日和となった。前日まで硬かった雪面も、選手たちが通過する頃には緩み出し、快適なザラメ雪に。呼吸を荒げながらも春のツアースキーを楽しむような心地よさもあった。

 男子で見事優勝の栄冠を勝ち取ったのは、トレイルラン選手としての活躍が輝かしい加藤淳一(山梨)。スキーのエキスパートを抑えての快挙を見せた。前回まで長く王者の座についていた藤川健(北海道)が2位。3位は松澤幸靖(長野)だった。


男子の上位3人。右から3位の松澤幸靖、1位の加藤淳一、2位の藤川健

 

 女子の優勝は星野緑(群馬)。登りもスキーも得意とするバランスのとれた選手で、日本山岳耐久レースの優勝経験があり、トランスジャパンアルプスレースを2度完走している。


女子のトップ3人。右から2位の西田由香里、1位の星野緑、3位の加藤倫子

 

 熾烈なトップ争い、登りが得意な選手とスキー技術に優れた選手の個性が絡み合う絶妙な駆け引き、レース運びの熟練度など。上位組の激しいデッドヒートは大いに盛り上がった。その一方、初心者向けのコースも設けられており、小学生からかなり年配の参加者、初参加から常連まで、各々のレースを楽しんでいる様子が伝わってくる。レース中は苦しかった思いもゴールしてしまえばどこ吹く風。終わってみれば皆笑顔で語り合い、充実した一日を過ごせたのは言うまでもない。

 

 続いて翌週の4月9日、白馬八方尾根スキー場内で開催された「八方尾根SuperVertical」も、第3回目と若いレースながら、全日本さながらの選手層でハイレベルな戦いとなった。ここに来て急激に盛り上がりを見せ出したSkimoは今後要注目の競技。始めるなら今がチャンスかも。

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