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望月将悟が今夜0時、全長235㎞の静岡市境を5日で一周する「AROUND SHIZUOKA ZERO」に出発

2017.07.10

 日本海から太平洋まで、日本アルプスの山々を縦断するレース「トランスジャパンアルプスレース」(TJAR)。昨年8月、歴代最速記録の4日23時間52分でゴールし、4連覇を成し遂げたのが望月将悟だ。

 


2017年のTJARで、史上初の5日以内で静岡市の大浜海岸にゴールした望月(写真=山田慎一郎)


 その望月が「もっと身近で、かつ強烈なチャレンジ」として考案し、明日7月11日0時から挑戦するのが、静岡市境をぐるり一周する「AROUND SHIZUOKA ZERO」(以下、ASZまたは「ぐるり静岡市」)だ。このチャレンジは、相当な体力・気力・精神力はもちろん、厳しい山岳を安全に行動できる総合力が必要となる。「ASZ」とは、どういうルートで、どんなチャレンジなのだろうか?


TJAR2017の2日目朝、北アルプス・上高地を通過する望月(写真=山田慎一郎)

 

 TJARの総距離415㎞、累積標高差2万7000mに対し、「ASZ」は総距離235㎞、累積標高差2万3000m。数字を比較すると、TJARは水平移動が多いのに対し、「ASZ」はアップダウンが多いことがわかる。望月はこのコースを5日以内(+予備日1日)で走破するという目標を立てている。

 

南アルプスの尾根という尾根、沢という沢をすべて踏破したいと言う望月。生まれも育ちも南アルプスという「野性児」だ

 

 望月が計画した「ASZ」のコース概要は次のとおり。
 静岡市境の南西端、駿河湾に面する用宗(もちむね)海岸をスタートし、静岡市の西境を北上。花沢山(449m)、満観峰(まんがんほう・470m)、ダイラボウ(561m)と進む。清笹峠から稜線を北上し、天狗石山(1366m)へ。ここで市境を離れ、川根本町の大井川鐡道・奥大井湖上駅へ下りる。風イラズ(1991m)、大無間山(だいむげんやま・2330m)と登り、踏み跡が薄い尾根を、信濃俣(2332m)を経て南アルプス最南端の百名山・光岳(てかりだけ・2592m)へ。
 この先は3000m峰を多数有する南アルプスの一般登山道を北上。聖岳(3013m)、赤石岳(3120m)、荒川前岳(3068m)、塩見岳(3052m)、静岡市最北端で日本第3位の高峰・間ノ岳(あいのだけ・3190m)とたどる。
 間ノ岳から、大井川源流を一周するように南下。西農鳥岳(3051m)、農鳥岳(3026m)を通過し、白峰南嶺(しらねなんれい)を南へ進む。広河内岳(2895m)から奈良田越まで、登山道はほぼない。伝付(でんつく)峠を過ぎ、笊ヶ岳(ざるがたけ・2629m)、青薙山(2406m)まで来たら、安倍奥最高峰の山伏(やんぶし・2013m)へ。
 山伏からは安倍川流域の稜線へ。梅ヶ島温泉を見下ろしつつ、大谷嶺(2000m)、八紘嶺(はっこうれい・1918m)と進み、残す50㎞は、地元山岳会やトレイルラン愛好者が「トランス静岡」と呼ぶ稜線を南下。青笹山(1558m)で市境を離れ、竜爪(りゅうそう)山を通過。静岡市中心部へ延びる尾根を進み、賎機山(しずはた山・171m)を経て浅間(せんげん)神社へ。市街地に出たら、あとはTJARと同じく静岡駅を通って駿河湾の大浜海岸がゴールだ。

 


昨年10月、『山と溪谷』誌の取材で歩いた南アルプス南部の最高峰・悪沢岳(東岳・3141m)にて(写真=山田慎一郎)

 *

 静岡市は、水深2500mと日本一深い駿河湾から、3000m峰を9座も抱える南アルプスまで、南北の直線距離およそ83㎞、総面積1412k㎡の広大な市だ。そのうち76%は豊かな森林で、大井川、安倍川、藁科川などを流れる清流から流れる養分豊かな水は、最後に駿河湾に注ぎ込む。山里ではワサビやお茶、駿河湾ではサクラエビやシラス、おいしい魚が豊富に獲れる。
 望月は「海から山、山から海と、住んでよし、食べてよし、訪れてよし、といわれるように、全国どこにもひけをとらない、自然豊かで歴史ある地です」と自慢する。
 望月は、南アルプスの山懐・井川(現・静岡市)で生まれ育ち、現在は静岡市消防局山岳救助隊に所属して、静岡市内全域の山岳事故・遭難に駆けつける任務を負っている。

 望月は「静岡の小学校や中学校に講演に行かせてもらう機会があるんですが、日本海から太平洋まで415㎞を走破!と話しても、ピンとこないらしいんです。それは大人も同じ。だから、地元の人にとって身近な静岡市をぐるりしちゃおうと思ったのが、そもそものチャレンジのきっかけなんです」と話してくれた。
 だが今回のコースは、登山道がない部分もあれば、水場がない箇所もある。しかも多くの山小屋は営業開始前だ。さらに5日以内という制限時間を設けることで、チャレンジはより過酷になるだろう。
 また、過去、1982(昭和57)年に静岡市山岳連盟の岳人がこのチャレンジを行なっている。登山道も整備されておらず、情報も、山岳装備も整っていない、今よりもずっと不便だった頃のチャレンジで、相当大変だったことは想像がつく。
 望月は「当時の岳人を魅了した山岳縦走路。自分も同じ道をたどり、肌で感じてみたい。そして、誰とも言わず、山や自然が大好きな人が守り続けてきた山岳地を一歩一歩踏みしめて感じてきたい」と言っている。

 そして、「『これはおもしろそう!』と思ったことにはチャレンジする」がモットーとも話す望月は「地元静岡市のよさをアピールする格好のチャンス」とも捉えている。

 挑戦は今夜、7月11日0時にスタートする。 TJARのようにボロボロの状態でゴールするのか、はたまた笑いながらか、泣きながらか。どんな顔で大浜海岸にたどり着くのか、とても楽しみだ。
 なお速報は「マウンテンスポーツネットワーク(MtSN)」のフェイスブックをご覧いただきたい。

 

[行程]

■1日目(7/11)
用宗海岸→花沢山→満願峰→宇津ノ谷峠→ダイラボウ(※写真中央)→小布杉→三ッ野→蛇塚→知者山→天狗石山→奥大井湖上駅(※写真下)→栗代山→風イラズ→大無間山(宿泊)ツエルトかテント泊
・距離=65㎞
・累積標高差= +7000m -4700m
・推定時間=27時間23分
・最高地点=大無間山2329m

 

 

 

 

 

 

 

 

■2日目(7/12)

大無間山→大根沢山→信濃俣山→光岳→茶臼岳→上河内岳→聖岳→兎岳→百件洞山の家→赤石岳→荒川小屋(宿泊)避難小屋で宿泊
・距離=40㎞
・累積標高差= +4800m -4500m
・推定時間=18時間36分
・最高地点=赤石岳3121m

3日目(7/13)
荒川小屋→荒川前岳→高山裏避難小屋→小河内岳→三伏小屋→塩見岳→安倍新倉岳→熊の平小屋→三峰岳→間ノ岳→農鳥岳→笹山(宿泊)ツエルトかテント泊
・距離=36㎞
・累積標高差= +4000m -3900m
・推定時間=16時間10分
・最高地点=間ノ岳3190m

■4日目(7/14)
笹山→転付峠→生木割→笊ヶ岳→布引山→稲又山→青薙手前分岐→青笹山→大笹峠→山伏→大谷嶺(※写真)→八紘嶺→安倍峠(宿泊)ツエルトかテント泊
・距離=44㎞
・累積標高差= +4000m -5300m
・推定時間=17時間53分
・最高地点=笹山2717m

 

 

5日目(7/15)
安倍峠→バラの段→大光山→十枚山→地蔵峠→真冨士山→薬師岳→文殊岳→鯨が池→賤機山→浅間神社→大浜海岸
・距離=45㎞
・累積標高差= +3700m -5100m
・推定時間=18時間33分
・最高地点=下十枚山1732m

※予備日 1日(7/16)

 

※MtSN フェイスブック www.facebook.com/mtsportsn

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