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「TJAR2016 - 鉄人たちの熱い夏」 Ver.9 雨宮浩樹(※出場2回目)

2017.08.24

TJAR2016 - 鉄人たちの熱い夏 Ver.9 雨宮浩樹 ナンバーカード14  6日9時間48分 ※2回目

松田珠子=取材・文

 今回も、雨宮浩樹のゴールは笑顔だった。大浜海岸の砂浜へと続く階段を越えると、軽快な足取りでゴールのフラッグへと駆けた。そして太平洋へ。海水か汗か、塩がしみた目をこすりながら「泣いているわけじゃないですよ」と笑いを誘った。

 記録は6日9時間48分。

 初出場の14年、雨宮が大浜海岸に着いたのは真夜中だった。このときの記録は7日23時間6分。今回、「明るい時間にゴールしたい」というのが一つの目標だった。イメージしていたのは、8日目の日中だ。ふたをあけてみれば、想定していたよりまる一日以上早い、7日目の朝9時にゴール。2年前の記録を37時間短縮した。

 ゴール後の挨拶では、「こんなに早くゴールできたのは、応援してくれた人たちのおかげ」と語り、「これからゴールする選手たちも応援してください」と、後続の選手たちを思いやった。



静岡・大浜海岸にて。「応援してくれた人たちのおかげ」と笑顔の雨宮(写真=宮崎英樹/MtSN)

 

 初出場の14年大会は、「完走」が目標だった。台風に始まり、レース期間を通して雨が続いた。濡れたままの足はふやけ、マメが破れ、大きくペースダウンした。激痛に耐えながら、「足のマメで死んだ人はいない。足裏の痛みで死んだ人はいない」と自分に言い聞かせ、歩みを進めた。やっとの思いでゴールしたときには、本来のゴール閉鎖まで残り1時間を切っていた(※実際は悪天候のため3時間延長)。

 レース後、雨宮は「経験不足もあって、なんとかゴールにたどり着いたという感じ。次は余裕を持って、もっと楽しみながらゴールしたい」と、TJARへの再挑戦に意欲を見せていた。

 TJARから3週間後にはUTMBに出場し、完走。15年夏にはPTL(※)、UTMFと立て続けにロングレースを完走。TJAR後に出会った皮膚保護クリームで足裏ケアをこまめに行なったことで、いずれもマメなどのトラブルは皆無だったという。

 この2年で、大きな環境の変化があった。14年は北海道、それも年間平均気温5℃、寒い時期には最低気温が-25℃にもなる日本最北の地・宗谷地方に住んでいたが、15年4月、転勤で岐阜県へと転居した。トレーニング環境も大きく変わった。
「北海道では、6月の下旬頃まで、山は雪に閉ざされている。TJARの(軽)装備で山に入ることができないし、山深いところに行く機会がほとんどとれなかった。14年のときは、ロードで走り込んで、山に行ったのは3回くらい」
 もともと「スキーが好き」という雨宮は北海道の生活を気に入っており、その環境を苦に感じることはなかったが、本州は気軽に行ける距離ではない。TJARに向けたトレーニング環境は、決して恵まれているとはいえなかった。
 岐阜に移ったことで、アルプスなどへのアクセスもよくなった。
「試走はあまり好きじゃない」という雨宮は、あえてTJARのコースに行くことはあまりなかったが、山に行く頻度は格段に増えたという。
「自分の感覚だと、走る距離は14年の半分以下、山に行った時間、距離は3倍くらいですね」
 特に世代も近く気の合う仙波、大原とは、山に行く機会も多かった。
「彼らとは山の嗜好もペースも気分も合うことが多かった。追い込むより、楽しくやっていましたね。TJARも苦しいときは苦しいけど、基本的には楽しいレース。楽しむ余裕を持って、追い込み過ぎず頑張った、という感じです」

 14年完走者は選考会でスタッフを務めれば選考会は免除となる。16年は抽選会が行なわれず、雨宮の2大会連続出場が決まった。

 

※PTL (La Petite Trotte à Léon):毎年8月下旬に開催されるUltra-Trail Du Mont-Blanc(通称UTMB)の一種目。2~3名のチームでの参加となり、コース上にルート表示がない(ナビゲーション技術や登山技術が必要)、距離約300㎞(概算)、累積標高差2万8000m(概算)、制限時間は142時間という壮大なスケールのレース。

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