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MtSN 2016新春イベントレポート(その2) 「毅と弘樹のマルとバツ」

2016.07.26

(その1)はこちら

取材・文=奥山賢治 写真=小関信平


 日本のトレイルランニングの黎明期から、トップランナーとして、レースオーガナイザーとして活躍している鏑木毅さんと石川弘樹さんをメインゲストに招いて開催されたMtSN2016新春企画「鏑木毅&石川弘樹トークイベント」(2月7日、東京・千代田区)。今回は3回連載の第2回として、午後の部のオープニング企画となった「毅と弘樹の○と×」の内容をお届けする。


■毅と弘樹の◯と×

 午後のトークイベントは、鏑木さんと石川さんの、より内面的なところを聞き出す「毅と弘樹の◯と×」から始まった。

 

 



[毅の◯]

① 日本トレイルランナーズ協会の発足と活動
② ヤマケイ新書『富士山一周レースができるまで』刊行
③ THE NORTH FACE 100台湾で頑張れたこと ※準優勝
④ マルコ・オルモ氏との対談が叶う!
⑤ 9年ぶりの富士登山競走出場
⑥ 香港ストン選手のサポートでUTMBへ
⑦ TOKYO八峰マウンテントレイルで参加者と交流

 

 ステージスクリーンには、UTMBのコースを鏑木さんが愛娘を背負って、ハイキングに出かけた時の写真が映し出された。

 娘を背負子(しょいこ)に背負って、5時間くらい歩いたんですけど。背負子が重くて、結構、大変でした。

 

 

浅) 今年の目標は「抗う」ですからね。それでは、「毅の◯」、行ってみましょう!

 

[① 日本トレイルランナーズ協会の発足と活動

 (会場に向かって)1月にトレイルランナーズ協会のトレイルランニングフォーラムに出られた方って、どれくらいいらっしゃいますか?(客席を見ながら)結構いますね。
 トレイルランニング愛好者は20万人ともいわれているスポーツですが、全国組織がありませんでした。
 選手の自分たちが立ち上がらないといけないな、と思い、協会を作りました。去年、発足したばかりですが、今年から、本格的に活動していきます。

浅) 鏑木さんも石川さんも副代表理事ですよね?

 そうですね。トレイルランナーが、みんなで、これからのトレイルランニングのために、よくしていこうと動いています。少しでも耳を傾けていただければなって思っています。
 役割が決まっているわけではないですが、鏑木さんも僕も、それぞれお互いができることをしています。

宮) トレイルランニングフォーラムでは、各団体が一つになりそうな、いい動きを感じました。石川さんがちょっと裏で活躍されているような印象を受けましたが。

 持論ですが、会議の場は、言いたいことが言えないことってあるじゃないですか。でも、打ち合わせが終わった後の、「じゃ、一杯いきますか」みたいな流れがありますよね。そこがいちばん大事で。会議とは違った一面が見えて。僕は、(本音で話せる)その場を大事にしてますね。

宮) いわゆる飲みニケーション!

 会議終わった後、よく飲みに行ってますよ。
 
 

 僕は飲めないんですけどね。そこは大事だなと思って。そこで腹の内が見える。

 

宮) 各団体がめざしている方向性は一緒?

 そうですね。

 

浅) 鏑木さんは、飲むとどうなるんですか?

 あまり酔わないですね……。陽気にはなります。歌いますね。


 

 (笑)何を歌うんですか?

 

 

鏑) 80年代、90年代の歌。……小田和正さんとか。

 僕も(小田和正さんの歌を)歌いますよ。ここ最近、歌ってませんが。わかりますよ、その気持ち。



 

[② ヤマケイ新書『富士山1周レースができるまで』刊行

浅) 福田六花さんと一緒に書かれた、UTMFの舞台裏を描いた本ですね。

 はい。作る時間が短かったんで、かなり大変でした。
 また、2人で書いたので、分担パートをはっきり決めとかないと、同じようなことを書いてしまうので。編集作業も難しかったですね。

宮) 制作期間が数カ月しかなくて。2015年のUTMF開催までに、絶対に刊行させる予定で進行してました。

 3カ月くらい、ずっと頭の中にありました。走っている時に、文章構成を考えたり。

 


[③ THE NORTH FACE 100台湾で頑張れたこと ※準優勝

 ここ数年、結果をうまく出せなかったし、これは嬉しかったですね。自分らしいレース展開ができたし、知らない台湾の山々を楽しめ、結果を出せた。50歳までは、自分もやれるだろうと感じたレースでした。
 

 どんなコースなんですか?

 

 ロードが多いんだけど、時おり出てくる山のパートがおもしろい。日本の山に似てるんだけど、熱帯雨林地帯のような自然が楽しかった。台湾は、3000m以上の山が200もある、本当にいいところ。

(スクリーンには、表彰台に上がっている鏑木さんと娘さんの写真)

浅) かわいいですねー。

 なんで上がってきたんだろう(苦笑)。
 
 

 ちゃんとユニフォーム着せてるじゃないですか(会場爆笑)。

 


[④ マルコ・オルモ氏との対談が叶う!

 しびれましたね。ご自宅の玄関まで行った際に、足が震えてました。
 58歳の時にUTMBを制した選手。彼は伝説のランナーですよ、今、67歳。僕がウルトラトレイルをめざしたのもマルコさんの影響がとても大きい。
 マルコさんの練習フィールドで一緒に走らせていただいたんですが。マルコさんは、狙ったレースのために、週に1回は8~10時間のトレイルを走る。他の日も2~3時間は走り続ける。いつもニコニコされてて、優しい感じの方です。
 マルコさんのようになりたいなと思っていますけど、一年一年、マルコさんに負けているなって思います。

浅) 石川さんはいつまでも現役でいたいと思っていますか?

 走り続けることはずっとやっていくと思います。レースも、年齢に関係なく参戦するとは思います。ただ、パフォーマンスは別として。
 実はウエスタンステイツで、僕もマルコさんと一緒に走ったことがあるんです。その時、会話したかったんですが、話しかけにくいオーラがすごかった。レースの時はスイッチが違うんでしょうね。

 僕が4位だった2008年のUTMBで、レース中にマルコさんを後ろから抜く時、恐縮して抜けなかったですね。(お前、早く抜けよ)って、厳しい顔をされたのを覚えています。
 イタリア北部にある彼の自宅は、家を出て100m先から、80kmほどのトレイルが続くような環境にあるんですよ。

宮) そういう環境に憧れますか?

 僕は家が丹沢の麓なので。

 

 

 引っ越したいなって思いますが、やっぱり、仕事で都内に出ることが多い。娘の教育もありますし。守りに入ってます(苦笑)。


 

[⑤ 9年ぶりの富士登山競走出場

 知っている方はあまりいないと思うんですが、僕、過去に3回優勝してるんですよ(笑)。
 もう出ることはないと思っていたのですが、去年、テレビ番組の『ラン×スマ』で、お笑い芸人のハブさんと走ることに。かつてはピリピリした雰囲気で出場していた大会ですが、すごい楽しかったですね。

宮) また、こういう大会に出てみたいなと思いますか?

 先ほど、石川くんとも話していたのですが、石川くんがプロデュースする大会に出てみたい。
 

 本当に出てくださいね。鏑木さん、去年のこのイベントでも、(僕がプロデュースする大会に)出たいって同じこと言ってましたよね(笑)。

 

 ただ、日程が合わないんだよねー(笑)。
 
 

 僕はUTMFに出てますからね。自分でエントリーして(笑)。(会場爆笑)
 
 

浅) このペースだと終わらないので、巻いていきますね。

 

[⑥ 香港・ストン選手のサポートでUTMBへ

 アジアで、香港は日本に次いでトレイルランニング人気が高いところで。
 香港で、ストン選手はスーパースター。昨年のUTMBで18位でした。その時に、僕のノウハウを教えてほしいっていうから、じゃあ日本に来なさい、って言ったら、本当に日本へ来ちゃって。3日間、一緒にトレーニングしました。レース当日は彼のサポートも。

 

 

[⑦ TOKYO八峰マウンテントレイルで参加者と交流

 八王子市主催の大会に、ゲストランナーとして携わりました。運営やルール、マナーをしっかりやろうよって。東京都自然公園利用ルールに基づいた大会でした。

 

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