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「TJAR2016 - 鉄人たちの熱い夏」 Ver.16 桑山史朗(※初出場)

2018.03.23

「TJAR2016 - 鉄人たちの熱い夏」 Ver.16 桑山史朗 ナンバーカード16 17位(6日間23時間50分) ※初出場

文=松田珠子

 

「(TJARは)厳しいとか、幻覚を見るとか、刺激的なフレーズばかり出ているが、1から10まで楽しいレースだった」
 ゴール後、実行委員会代表の飯島浩からマイクを向けられ、桑山史朗がこう語ると、「おぉ~」と感嘆の声が上がった。
 実際、レース中につらかったことは「ほぼ、ない」のだそうだ。記録は6日間23時間50分。7日間切りの可能性が現実味を帯びるまでは、時間を意識することもなかった。暑さや疲労、さまざまなトラブルやアクシデントに苦しむ選手たちがいるなか、桑山は純粋にレースを楽しんだ。

 


大浜海岸にて、ゴールフラッグと写真に納まる桑山(写真=宮崎英樹/MtSN)

 

<山歴は25年>

 福井県で生まれ、父の転勤で幼い頃から「10回以上」(桑山)引っ越しを繰り返した。小学校に入って千葉県へ。以降、腰を据え、結婚した現在も千葉県在住だ。

 小学校の頃はサッカー、中学ではバレーボールに打ち込んだ。子どもの頃、家族旅行で上高地に連れていってもらった記憶はあるが、山登りらしい山登りはしたことがなかった。

 そんな桑山が、高校で山岳部に入部したのは、入学式でたまたま隣に座った生徒から「山岳部に入らない?」と誘われたのがきっかけだった。私立の高校に入った桑山は、中学からの友達が誰もいない状態だった。気軽な気持ちで「いいよ」と快諾した。
「山に興味があったわけでは全然なかった」と桑山は振り返る。たまたま誘われて決めた山岳部への入部が、桑山の山人生のスタート地点となった。

 高校の山岳部の活動は、無雪期の夏山登山が中心だった。高校総体にも挑戦した。登山計画・歩き方・読図・テントの設営と撤収、炊事、チームワークといった、登山に必要なあらゆる項目について審査・評価されるというものだが「それはそれで楽しかった」と桑山は振り返る。
 いちばん楽しみにしていたのは夏合宿だ。テントを背負って、2泊3日で白馬など主に北アルプスの山を歩いた。
「夏合宿がいちばん楽しかったですね。長い時間、山に入っているのが好きだったんです」

 卒業後、進学した大学でも山岳部に入部した。
「高校の山岳部が楽しかったので、あまり考えずに、またやりたいなと……」
 大学山岳部は、高校とはまったく違った。「大きな違いは、雪と岩をやるようになったこと」(桑山)。それまで夏山のみだったのが、冬も山に入るようになり、「年間、70日か80日は山で泊まっている感じでした」。
 入部して最初の夏には剱岳へ。1週間ほど岩登りをして、その後、上高地まで縦走した。夏だけで20泊以上したという。
「強烈でしたね。体力的にはきつかったけど、長い期間、山に入れるので、そんなに苦でもなかった」



学生時代、山岳部に所属していた頃。夏季合宿の入山。北アルプス室堂にて。右から4人目が桑山


冬季合宿にて、北アルプス・槍ヶ岳中崎尾根を登る(写真提供=桑山)

 

 苦い記憶もある。1年の秋、部の先輩の一人とパーティを組み、谷川岳に登りに行ったときのことだ。「途中で暗くなってしまって、その日じゅうに下りられなくなってしまったんです、壁の途中で。岩にロープをつないで、ほぼぶら下がったような状態で、日が昇るまで待ちました」

 10月なので、18時くらいには暗くなって、朝5時頃まで、12時間くらいずっと、岩に座るような感じで。雪もちらついていた。当時、携帯電話も持っていなかった。あっても通じるかわからないけど。みんな心配してるかなぁと…
 あとで部の別の先輩たちから怒られたというが、山の怖さを感じたできごとだった。

 その後、上級生との考え方の相違で同期たちと一緒に部を離れることになったが、山に登ることは続けていた。

 ロープが必要な岩登りや本格的な冬山登山には行かなくなったが、社会人になっても山歩きは続けた。単独ではもちろん、兄と一緒に行ったり、結婚後は妻とも山を楽しむようになった。

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