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世界レベルの難コース「上田スカイレース」レースレポート

2018.05.16

写真=一瀬圭介 取材・文=一瀬立子(MtSN)

2018年5月4日、長野県上田市で「上田スカイレース」が、2018日本スカイランニング日本選手権として開催された。ここ数年、ゴールデンウィーク中の上田市といえば、「上田バーティカル」が定着してきており、今年も600人ほどの参加者が集まった。競技性の高い選手だけでなく、子どもの参加者も多く見られ、お祭りのような雰囲気の中での開催となった。

一方、上田スカイレースは、一般コースで18㎞(累積標高差2000m)、エリートコースで25㎞(累積標高差3000m)という厳しいコース設定で、切り立ったナイフブリッジや両手両足を使ってよじ登るような危険箇所を含む難易度の高いコースのため、両コースとも「岩稜帯での登山経験があること」を出場条件としている。また、エリートコースは世界レベルの難コースであるため、安全性を考慮し、「JSA(日本スカイランニング協会)登録アスリート、もしくは、ISF(国際スカイランニング連盟)推薦海外アスリート」であることも出場条件として加えられた。そのため、出場できる選手数は多くはなく、第1回大会ということもあり、プレ大会のような位置付けでの開催となった。

 


エリートコースのスタート。5分おきのウェーブスタート形式

登山経験のある健脚選手たちが厳しいコースに挑んだ

 

ここ数年、上田瑠偉選手や吉住友里選手などの活躍により、「スカイランニング」という競技が知られるようになってきた。山を山頂まで一気に駆け上がるバーティカルキロメーター(VK)は競技内容が理解しやすく、認知度が上がってきたように思う。しかし、スカイとなると、トレイルランニングとの違いがよくわからないという人もいるのではないだろうか。

JSA日本スカイランニング協会は、「スカイランニング」は”快速登山”であると定義している。急峻でテクニカルな斜面や標高2000m以上の高山をコースにする場合が多く、走ることができない局面もよくある。トレイルランニングは広い意味で不整地を走るスポーツだと言うことができるが、スカイランニングはアップダウンの激しい山の高所での快速登山であり、体力やテクニックがある選手はコース中で走ることができる部分が多いということになる。

上田スカイレースのコースは、一般コースで18㎞(累積標高差2000m)、エリートコースで25㎞(累積標高差3000m)。


エリートコースの高低差図

 

コースはハードなもので、実際追い込みすぎて倒れた選手やケガを負った選手もいた。上田市内で世界基準を満たしたこれだけの厳しいコースが設定できることに驚く。上田市は日本におけるスカイランニングの本拠地にふさわしい場所と言えるだろう。

 


切り立った稜線を駆け抜ける上田瑠偉選手。眼下には上田市内が広がっている

 


急峻な岩場をよじ登る高村貴子選手。このようなコースが高村選手が「楽しい!」というところだ

 


高い所​があまり得意でない近藤敬仁選手も必死に岩場をよじ登る

 


UTMF2018に出場したばかりの大瀬和文選手も出場し、3位入賞と好成績を出した

 

優勝は上田瑠偉選手。後続選手に20分もの差をつけて圧倒的な強さを見せた。上田選手は世界で戦うことを想定したタイムを出すべく今レースに挑み、イメージどおりの好タイムで優勝した。5月に欧州のスカイレースを転戦するにあたり、手応えをつかんだようだった。

女子優勝の高村貴子選手も、前日のバーティカルレースとのコンバインド(2種目出場)にも関わらず、コース設定をした松本 大氏が予想した女子優勝タイムより20分も早くフィニッシュし、女子選手の中でダントツの速さを見せた。
高村選手も、今年はスカイランニング世界選手権の日本代表選手に選ばれていることもあり、やはり世界でどこまで順位を上げられるかを意識してレースに出場している。今年9月にスコットランドで開催される世界選手権での彼女の戦いぶりに注目したい。


女子エリートコース優勝、高村貴子選手


 

 

 

■上田スカイレースリザルト



ウィナーズビブスを手にした上田瑠偉選手(左)と高村貴子選手(右)

《男子エリートコース上位結果》
1位上田瑠偉 3:29:58
2位 近藤敬仁 3:50:47
3大瀬和文 4:03:49
4吉田岳生 4:04:11
5位 佐藤雄太郎 4:09:14
6位 工藤祐輔 4:09:32
7位 横山忠男 4:14:20
8位 安田隼人 4:14:39
9位 服部一輝 4:14:56
10位 遠藤健太 4:15:12

 


男子エリートコース表彰式の様子

《女子エリートコース上位結果》
1位 髙村貴子 4:26:12
2位 田中真紀 4:59:02
3木下久美 5:19:35
4岩楯志帆 5:34:37
5須藤吉仕子 5:41:00
6大松知恵 5:48:48
7桑原絵理 6:04:14
8宮坂康子 6:46:46

 

​女子エリートコー子表彰式の様子

 

次ページでは、世界選手権日本代表選手の壮行会についてお伝えする。

 

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