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「TJAR2016 - 鉄人たちの熱い夏」 Ver.21 吉藤剛

2018.07.26

「TJAR2016 - 鉄人たちの熱い夏」 Ver.21 吉藤剛 ナンバーカード2 18位(7日間9時間54分) ※初出場

取材・文=松田珠子

 

 前夜0時前に17位の桑山史朗がゴールしてから、10時間がたっていた。次の選手、吉藤剛がもうすぐ来るという情報が入り、待機していた応援者、関係者たちがフィニッシュゲートへ向かって動き出したのは、8日目、もうすぐ10時になろうという時間だった。

 当初は「6日以内でのゴール」を意識していたが、途中から目標を「完走」に切り替えた。足裏と膝の痛みにも耐えながら、たどり着いた大浜海岸。砂浜に足を踏み入れると、残りの力を振り絞ってダッシュした。

 7日9時間54分、18位でのゴールだった。

 


砂浜に入りラストスパート(写真=松田珠子)

 

 

<関西の野球少年>

 滋賀県で高校時代まで過ごし、関西の大学を卒業後、横浜市役所への就職を機に関東へ。スポーツ歴は野球一筋だ。中学で野球部に入って以来、高校、大学、そして社会人になってからも、職場の野球チームでプレーしていた。ポジションはセンターかレフトの外野手。

「肩にはすごく自信がありました。遠投で何mとかはわからないですけど、チームの中では強いほうだった。球場の端から端までは投げられました」

 だが社会人になって3年目、肩を痛めてしまい、野球をやめた。運動から遠ざかると、体重が増加。気づけば80㎏近くになっていた。これはまずいと、ダイエット目的でランニングを始めた。2010年、27歳頃のことだ。

「もともと、長距離走のほうが得意だった。短距離は苦手で、盗塁とかもあまり成功できていない。よく刺されていました(苦笑)」(吉藤) 

 走り始めたばかりの頃は「1~2㎞走っただけで、ゼーゼー。続けて走れなかった」と言うが、3カ月ほどで、一定のペースで走ることが苦ではなくなった。試しにハーフマラソンのレースに申し込んだ。

「初ハーフは、2時間切るくらいですかね。疲れたけど、達成感がすごかった」

 体重が減り、体が軽くなると、さらに走れる距離が延び、記録も縮んだ。走ることがどんどん楽しくなった。翌年、初のフルマラソンに挑戦。3時間半ほどで完走した。社会人になってから、日帰りで登山に行くこともあったことから、トレイルランにも興味を持ち、13年頃からレースやイベントにも参加するようになった。

 TJARを知ったのは、14年に入ってからだ。トレイルランに熱中するようになり、いろいろなレースの映像が見たいと、トレイルレース等のDVDを購入していた。

「TJARのDVDも買いました。12年大会の映像を見て、暴風雨のなか、選手たちは1週間も山の中で……。『すごいな』と。ここまでいけばエキスパートだなと。こういう選手たちに近づきたいと思って、自分もマネしようと。それまでは日帰りでトレランに行っていたのが、ストックシェルターを持って山に行くようになりました」

 当時は、まだ自分が出たいとまでは思わなかった。

「そのレベルに達していなかったので……」

 1泊2日の山行を重ね、自分の力がどのくらいついたのか試したくなり、翌15年、分水嶺トレイルのAコースに出場。このレースで、吉藤はAコース、ソロの部で優勝。

「優勝できるとは思っていなかった。この結果で自信がついて、来年のTJARをめざしたいと思いました」

 ちょうどこのときの分水嶺で、TJARへの出場経験がある飴本義一や山本寛人らとの出会いもあった。

「TJARに出ている人たち、というのは知っていました。僕は短いほうの距離だったんですけど、レース中に、飴本さん、山本さん、松浦和弘さんのチームを抜いたんです。それで初めて言葉を交わして……」

 その後、飴本が主催する丹沢の塔ノ岳タイムトライアルや、山本が企画する地図読み練習会などに参加するようになった。TJARを経験している彼らから受けた影響は大きかった。

 自宅から100㎞離れた富士山の麓までロードを走り、ビバークした後に富士山に登るなど、長い距離に慣れるためのトレーニングを工夫しながら取り入れ、力をつけていった。

 選考会は、悪天候での開催となったが、プラン通りに進め、地図読みも手ごたえがあった。だが、ストックシェルターの設営テストでペグが抜けてしまい、「落ちたと思った」と吉藤は振り返る。

 結果は合格。
「まさか受かってると思わなかったので、めちゃくちゃ嬉しかった」と吉藤。
 抽選は行なわれず、憧れのTJARへの出場が決まった。

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