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【野間陽子のレースレポート vol.11】アンドラ・ウルトラトレイル2018(AUTV2018)、再びユーフォリア・デル・シムへ

2018.08.24

2018年7月、昨年に続いて2度目のチャレンジをしたレースは、「アンドラ・ウルトラトレイル・ヴァルノード/Andorra Ultra Trail Vallnord (以下AUTV)」のレースカテゴリーのひとつ、「ユーフォリア・デル・シム/Eufòria dels cims」(距離233㎞ / 累積標高D±2万m、以下ユーフォリア)」。
昨年は80㎞で関門アウトとなったこのレースに、今年こそはフィニッシュゲートをくぐりたいと再び挑んできました。

 


星野 緑さん(左)と結成した”Team SPORCIVA”

 

■チームで臨む山岳アドベンチャーレース「ユーフォリア・デル・シム」
ユーフォリアは、2人1チームでコースマーキングのないルートをGPSを持って進む山岳アドベンチャーレースです。制限時間110時間(4日間と14時間)の壮大な旅です。単純に計算すると、1日に約50㎞、累積標高差4500mを進む行程を5日間繰り返せばゴールできるのですが、この50㎞がただの50㎞ではなく、オフトレイルの急峻な登りや下り、ガレ場、ザレ場、岩場、鎖場、雪渓、渡渉と、すんなり進めない要素が盛り沢山なのです。

このテクニカルなコースを、今回ペアを組んで一緒に進んでくれたのは星野 緑さん。過去にトランスジャパンアルプスレース(TJAR)を2回完走し、ハセツネ優勝など、数々の輝かしい経歴を持つ、強くてタフなアスリートです。そんな彼女とチームを組めるのは、私にとって千載一遇のチャンス。 少しの不安とたくさんの期待を胸に、110時間の旅へスタートしました。

 

7月4日水曜日、午前7時に233㎞の壮大な旅へとスタート!

 

■レース1日目、1つ目のライフベースまでの50㎞
スタートして数時間は町からほど近いハイキングコースエリアなので、トレイルの分岐が多くGPSでの確認が必要ですが、選手達がまだばらけていないこともあり、他のチームと協力し合いながら進みました。

1日目は、緑ちゃんのミッションは前の集団にしっかりついて進むこと、私のミッションは集団ロストしていないかGPSで時々ルートを確認することでした。昨年からルートが変更になった箇所が2カ所あり、そこもしっかり確認しながら進みました。今年はペースが速かったのか、去年は夜になってかなり苦戦したオフトレイルの沢沿いの激登りセクションを明るいうちに通過、明るければ難なく登れるルートを詰めながら、昨年からの進化を実感していました。

朝7時にスタートして1つ目のライフベースに到着したのは夜11時。16時間かけて50㎞進みました。ここの関門は朝9時。無事終了した1日目にホッとしながら、食事、荷物の整理、2時間の睡眠をこなすと、あっという間に時間がたっていました。


一つ目のライフベースでエネルギーチャージをして、また出発!

 

■レース2日目、厳しいコースが続く
5時間休憩して、2日目は午前4時にスタート。
2日目も容赦なく厳しいコースが続きます。スタートから14㎞地点でアンドラ最高峰コマ・ペドローサを通過。今年は170㎞のレース”ロンダ・デル・シム”と同じルートで登るコースだったので、コースマークのありがたさに感激しながらコマ・ペドローサを通過しました。2日目からは選手がばらけていくので、私と緑ちゃんの双方でGPSを確認しながら進みました。この日も、去年夜のオフトレイルのルートファインディングで苦戦した場所を明るい時間に通過。あまりに簡単な昼間のルートファインディングに拍子抜けするほどでした。

去年関門アウトとなった80㎞地点を通過し、ここから先150㎞は初めて通るルートです。去年出場した時の距離を超えた嬉しさを感じながら、そこから先に続く未知のコースに気が引き締まる思いでした。

2つ目のライフベースに夜10時に到着。2日目が始まってから、18時間かけて44㎞。平均して1㎞進むのに25分かかる厳しいコースで疲労した体を休めます。ここではシャワーを浴び、ベッドで2時間眠りました。 2日目の関門は午前6時。関門が徐々に厳しくなっていきます。

 


アンドラ最高峰コマペドローサ(2942m)からは、見渡す限りピレネー山脈のパノラマビューが広がる

 

■レース3日目、順調に進む
5時間半休憩して、3日目は午前3時半にスタート。
夜明けは6時半くらいなので、空が明るくなってくるのは6時頃。

ライフベースを出てから山に入るまでは踏み跡が不明瞭な牧草地で、ルートファインディングが難しいセクションです。夜明けまでの3時間の間に、GPSを確認しながら何度も立ち止まるのは時間のロスであると判断した私たちは、前のチームに付いていく作戦で進みました。幸いもうひとつの日本人チームと一緒になり、地図読みのスキルが高い小畑さんを先頭に高度を上げ始めましたが、みんなの歩くペースが速く、私はついていくのに必死でした。私が取り残されないように、緑ちゃんは私の後ろにつき、私のザックを持ち上げプッシュしてきます。

「夜が明けるまでだから、がんばろう! 自分に負けるなー!」と、緑ちゃんの激励を浴び、心拍数を上げながら1500mを登りきり、夜が明けた標高2600mの稜線でしばし休息、3日目が順調に始まりました。

 


残雪が多く、雪渓を幾度となく通過

 

スタートから3日間はおおむね天気は晴れ、午後の数時間だけ軽く雨が降る程度でした。標高2500mを超える山域の紫外線は強く、肌は日に焼け、岩場であちこちぶつけた手足は擦り傷だらけです。3日目も大きくコースミスをすることなく、3つ目のライフベースに夜12時に到着。3日目の軌跡は20時間半で47㎞。3日目の関門は午前5時。順調に進んでも、関門はさらに厳しくなっていきます。急いで支度し、シャワーを浴び、2時間眠って4日目に備えました。

 


渡渉ポイントが数多く存在する

 

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