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越えるべきは過去の自分 ~丹羽 薫 3度目のUTMBへ~

2018.12.28

写真・文=一瀬立子(MtSN)

世界で最も大規模で、最も権威があるトレイルレース。それは間違いなくUTMBだと言える。6種目のレースカテゴリーの合計出場者数は約9000人。ボランティアの数は2000人。大会スタッフ、メディア関係者、出場者の応援者の数を入れれば、おそらく2万人以上の人々がシャモニーに集結する。

これだけの規模を誇るトレイルレースは、各ブランドにとってプロモーションの絶好のチャンス。各ブランドはサポート選手をこれでもかと、UTMBのレースに投入してくる。選手にとってもUTMBのレースで好成績を上げることは、自分の力を示すために重要であり、トップ選手たちはそれぞれに全力で挑んでくる。

 


メインレースとなるUTMB(171㎞)には、世界中からトップ選手が集まり、世界選手権のよう

 

UTMBの6つのレースカテゴリーの中でも、最も注目を浴びるのは、やはりUTMB(距離171㎞/ 累積標高差1万m)だ。丹羽さんは今年3度目のUTMBにチャレンジした。

2016年に女子8位、2017年には左腕の骨折が完治しないまま、ギプスをはめて出場したにも関わらず、女子4位という、信じられないような輝かしい結果を残した。今年は3度目の出場でコースもわかっているし、骨折もしていない。チャレンジとは言っても、「丹羽さんはきっとまた表彰台に上がるだろう」と思っていた人は少なくないのではないかと思う。

しかし、今年のUTMBには男女ともに世界中からトップ選手たちが出場してきた。この中で上位に食い込むことは並大抵のことではないと、私は思っていた。

 


モンブランの周りをぐるりと一周するUTMB(距離171㎞ / 累積標高差1万m)のコースマップ

 

丹羽さんは今年1年間の目標を“ウルトラトレイルワールドツアー(UTWT)の年間ランキングで5位以内に入る”として、世界のレースで戦ってきた。UTMBで5位以内に入ることが、丹羽さんが年間ランキングで5位以内に入るために必要な明確なラインだった。そのため、丹羽さんは昨年のUTMBのタイムチャート(レースペースの計画)を詳細に見直し、昨年よりもトレーニングを積んで、UTMB2018に臨んだ。

タイムチャートの精度を上げるために、丹羽さんは自分を何度も何度も客観的に見つめ直す。自分自身の力を真正面から受け止め、そこに戦略も入れ込んで、タイムチャートを作っていく。その過程では、丹羽さんはいつも不安と戦うことになる。特に、過去に走ったことのあるレースでは、当然ながら過去の自分を上回る結果を出すことを考える。過去の自分を越えることは最低限クリアすべきことだと考えている。

目標タイムは27時間半。このタイムが出せれば、3位以内に食い込めるのではと読んでいた。もちろん、昨年の自分を越える走りをする設定だ。タイムチャートを組んだら、サポーターと打ち合わせをし、装備を準備し、あとはもう自分を信じで走るだけ。不安になったりはしない。

 

次ページ「すんなりとはスタートさせてくれないUTMB」へつづく

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