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世界三大山岳スキー大会のひとつ Pierra Menta(ピエラ・メンタ)に出場してみませんか

2019.10.01

イタリアの「メッツァラマ」スイスの「パトロール・ド・グラシエ」と並ぶ世界三大山岳スキー大会のひとつ「ピエラ・メンタ」。人口2000人のフランスの小村に、毎年7000人もの観客が集まる大人気の国際大会だ。
 

これまで「ピエラ・メンタに出てみたいけれど詳しい情報がなくて」という日本の山岳スキーヤーの嘆きを何度も耳にしてきた。そこで詳細を訊くため大会本部にコンタクトしたところ「一定のレベル(1時間に最低800m登れること。オフピステ(ゲレンデ外)を滑り下りられること)をクリアしていれば、書類申請の時点で日本選手は抽選前に優先するので、どんどん参加してください!」とのこと。

来シーズン、第35回ピエラ・メンタは2020年3月11日から14日に開催。過酷でありながら「大会というより山のお祭り」といわれる、このとびきり楽しい祭典に参加してみませんか。

取材・文=祐天寺りえ


Histoire / 歴史

発端は34年前の夜。3人の山スキー仲間がラクレットを食べながらの会話がきっかけだった。そのひとり、Guy Blanc(ギィ・ブラン)が笑って語る。「僕は当初8日間の大会を提案したんだ。でも幸運なことにそんな馬鹿げた案には誰も耳を傾けなかった。もし8日間にしていたら34年も続かなかったただろうね」。でも「大自然のど真ん中!を体感&満喫できる大会」というコンセプトの柱はその夜から今まで変わっていない。

そうして1986年に初開催された大会には地図と30mのロープ(もったいなくて切りたくないため)、そして石炭用スコップ(当時スキー用はなかったので)を背負う地元のスキー好き30組が参加した。それが今ではボランティアだけでも400名。20カ国から600人以上の選手が参加する国際大会になっている。
 

大会開催地のAreches-Beaufort(アレッシュ・ボッフォール/フランス)は冬季オリンピックが開催されたアルベールビルから20km。420ℓの牛乳から世界的に有名なボッフォールチーズを産出する人口2000人の小村
 

Belle aventure humaine 〜人として大切なものを思い出し、人間性を取り戻せる大会

山岳スキー世界選手権で17勝。ピエラ・メンタでも7勝しているLaetitia Roux(レティシア・ルー)は「他の大会を欠場してでもピエラ・メンタには出る」という。「2人1組で挑み、家族や仲間達にもサポートされる4日間。そこからは毎年、新しい物語や経験が生まれ、それは、つい勝つことばかりで頭がいっぱいになってしまいがちな私に『人間性』を取り戻させてくれる。そして人としてのニュートラルに戻れたことで、今一度スキーへのモチベーションも高められる。4日もの間、人と苦楽を分け合う大会はなかなかなく、だから私はピエラ・メンタを欠かすことができない」


C`est un cocktail. 
分け合い、溶け合う、カクテルのような大会

15歳から70歳代までの上級競技者からアマチュアが参加し、男女ミックス、国のミックス、参加者、その家族、山スキー愛好者、山の愛好者、皆が集い、スキー競技を、山を、自然を、雰囲気を共有し、分かち合う。2007年のジュニア時代から出場しているKilian Jornet(キリアン・ジョルネ)も「カクテルのような大会」とピエラ・メンタを愛してやまない。
 


大会の目玉ともいえる最終日のLe Grand Mont(標高2686m)を目指し、観客はまだ薄暗い朝5時過ぎから
スキーやスノーシュー、徒歩で山を登り始める。途中で朝陽が昇り始める。
その絶景を味わえるのも観戦リピーターが絶えない理由のひとつ
 


巨大なカウベルを腰につけて登る人も(写真上)スノーシューで登る人や犬同伴の人も(写真下)
 



4、5歳頃から毎年観戦に来ているという子供も多く、彼(11歳)もその一人。成長期なので山スキーは買わず、成長に合わせてアルペンの板をパパが改造。シールも切らずに使用。なんでもどんどん買い換えていかない。マテリアリズムを育てない。そしてこういう子供達が数年後にジュニアとして参戦するようになる


年々レベルがあがっている理由

30年前は1時間に800m登るのがトップタイムだったのが、今や1200mへと向上。マテリアルの進化も大きいが、もう1つ着目したいのは「トレイルランなど他の持久スポーツ選手達の参戦」だ。キリアン・ジョルネも「腰や関節へのショックなしに、長距離に挑むことで持久力とメンタルを養え、トレイルランのための抜群のトレーニングができる」と、山岳スキーによるトレーニングを奨励し、それがトレイルランナーの参加を増やしている。
 


彼女(Fany Bertrand 16歳)もバイアスロン選手。精神的疲労による「飽き」を防ぐために山スキーをトレーニングに取り入れるようになり、2019年はバイアスロンの大会の合間に山岳スキー世界選手権にも出場。ヴァーチカル・ファイナルで世界ジュニア4位に。バイアスロンも集中力&持久力が増しランクアップした
 


2019年のピエラ・メンタ、ジュニアの部の様子。筆者の息子さんが撮影した動画で、
2018年11月に初めて山スキーを履き、2019年3月の大会に参戦

 

une grande fête sportive 山スキーと山の愛好者が集う「お祭り」
 



朝9時過ぎ。標高2686m地点には既に4000人あまりの人が集い、朝食代わりにワインを開け、モンブランを眺めながらチーズやサラミ、パテなどで乾杯をしながら選手が通過するまでの時間を楽しむ。




ホルンを吹き、カウベルを鳴らし、旗を振り、歌い・・・まさに天空に近い山岳バー。
土曜日に早起きし朝からせっせと登ったご褒美の時と場所がそこにある。

 

 

そして待望の選手通過の時。まるでツール・ド・フランスさながらの光景がはじまる。ただツールとは違い選手も大喜びで沿道からの手にタッチしたり応えながら楽しんで通過する(自転車とは違い不安定ではないため。またプロよりもアマチュアが多いためもあるのかもしれない。そしてなにより「最終日」であることも大きいという)。選手にとっても観客にとっても忘れられない空気と光景が山頂に広がる。

 

2020年「第35回 ピエラ・メンタ」概要

■開催日程:2020年3月11日〜14日
■4日間で15の峠。標高差10000m+(ジュニア(15〜20歳)は2日間で標高差2000〜3000m+) 
■2名1組(男子、女子、男女ミックス)国のミックスも問わない
■定員:600名定員(うちジュニア200名)
■エントリーは12月1日よりインターネットで開始。1月31日まで。
■参加資格 :1時間に最低800m登れること。オフピステ(バックカントリー/ゲレンデ外)を滑降できること。
書類判定後、応募の多い男子とミックスは毎年抽選となるが、エアー手配など必須の外国選手は優先。日本人も最優先される

■エントリー料:2名で1180ユーロ(2020年については未確定だがほぼ変わらぬ予定。3月10日〜14日の4泊&朝昼晩3食込み。ジュニアは2名で100ユーロ+12&13日の2泊&朝昼晩3食1名につき100ユーロ)。2日目以降は前日の戦績による振り落としもある。失格タイムは天候や雪質などコンディションをみて前夜に発表される

■公式ホームページ→こちら

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