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ハセツネ全出場&完走のレジェンド、早川恒雄さんの300km徒歩旅チャレンジ

2019.09.06

『トレイルラン2019 夏号』ハセツネ特集に登場いただいた早川恒雄さん。御年78歳の早川さんは、1993年のハセツネCUP第1回から、2018年の第26回大会まで、フル出場&全完走をしている驚異のランナーだ。「ハセツネを中心に1年が回っています」と語る早川さんの、ハセツネCUP完走にかける熱い思いと日々の努力については、ぜひ本誌インタビューページを読んでほしい。

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ハセツネCUPの20回完走者に贈られるスーパーアドベンチャーグリーンのメダルほか、
過去26回の出場でもらった賞状や記事の切り抜きなどを、きっちりファイリング。


26回目の完走を果たした2018年ハセツネCUPのゴールで。奥様の華須子さんと

 

そんな早川さんが、7月31日から8月6日にかけて、自宅のある東京都町田市から自身の出身地である岐阜県中津川市までの約300kmを、7日間かけて歩き通した。連日35℃を超える猛暑のまっただなか、ウルトラ徒歩旅を無事終えた早川さんに、早速話を聞いてきた。
 

早川さんが東京〜岐阜300kmの徒歩旅を思いついたのは、2019年の初頭。1959年(昭和34年)に岐阜県恵那郡付知(現中津川市)から18歳で上京し、今年で上京60年を迎えるとあって、その節目のタイミングで、“生まれ故郷まで歩いてみよう”と思い立ったそう。

家族に相談すると、「いつも山を歩いているし、行けるんじゃない?」と反対されることもなく、娘さんからは「もし歩けなくなったら、車でどこにでもむかえに行くから!」という心強い申し出もあり、気持ちも固まった。ちなみに早川さんが上京したのは、明仁上皇と上皇后美智子さまの御成婚の翌日だった。

徒歩旅を実行する時期は、本当は季節のいい春頃がいいなぁと考えていたが、6月くらいまではなんだかんだと忙しく、かといって涼しくなる秋にはライフワークであるハセツネCUPがある。そこで、いちばんスケジュールがとりやすい7月末〜8月上旬にいざ決行となった。

気になるのは暑さの問題だが、国道沿いや町場を歩くので、コンビニや自販機もあるし、早朝から歩き出せばまあなんとかなるだろうと、事前にあれこれ考えすぎず、「とにかくやってみる」のが早川さんのモットー。日程は1週間くらい。コースは自宅のある東京都町田市から国道20号を歩いて山梨県・長野県とつないで、長野県塩尻市から国道19号に入り、岐阜県中津川市を目指す計画を立てた。宿は事前に予約はせず、歩き終えた場所で考える。歩行距離は1日40〜50kmくらい。水や食料は道中の自販機やコンビニで調達すればいい。そんな、ちょっと緩めの行動計画だ。
 


7月31日、出発の朝。300km先の岐阜県まで歩いて向かう感じはあまりなく、
“ちょっと歩いてくるよ”的な気負いのなさ!



「じゃあ行ってくるよ」と、じつにさりげない感じで自宅を出発


出発は7月31日朝。トレイルラン用ではなく、少し大きめのランニング用ザックに、最低限の着替えと行動食、簡易テント(ツェルト)、ペットボトル2本を入れて、東京都町田市内の自宅を出発。津久井湖〜相模湖と順調に進み、夕方、神奈川県藤野町に到着すると、ちょうど地元の夏祭りの真っ最中。お祭りに目がない早川さんは、飛び入りで3時間ほど山車引きを楽しんだ。お寺に泊めてもらう予定だったが、大好きな夏祭りを満喫して時間も遅くなり、初日の夜はJR藤野駅のベンチで野宿となった。
 


出発したその日の夕方、藤野町の夏祭りに飛び込み参加。
お祭りに目がない早川さん、なんとも嬉しそう!
 

2日目は早朝3時過ぎに出発。37℃に迫る酷暑のなか、コンビニ立ち寄ったり、ガソリンスタンドで水をかぶらせてもらったりしながら順調に足が進み、山梨県白州の大善寺の宿坊に飛び込みで宿泊。以降、早朝3時頃出発〜夕方に宿へ、という行動パターンを続けた。

3日目にも山梨県白州で、また地元のお祭りに飛び入りしつつ、4日目には長野県茅野市〜諏訪市を経て塩尻市の国道20号からいよいよ木曽方面へとつながる国道19号に入った。この日も民宿に素泊まりして、5日目も早朝3時に宿を出発。長野県岡谷市〜塩尻市を経て木祖村へ。
 

長野県塩尻市からは国道19号をひたすら歩いていく。この日も暑かった!


この橋を越えたらいよいよ岐阜県。徒歩旅も終盤へ



旧中山道は江戸時代の五街道のひとつ。江戸の日本橋から京都の三条大橋をつなぐ街道だった

 

体調は問題なかったが、諏訪で雨に降られたときに足を濡らしてしまい、足の裏がふやけて水ぶくれになってしまった。痛みも出てきたが、痛み止めを飲んでなんとかしのぎつつ歩行距離を伸ばし、夜9時35分まで行動して、道の駅木曽福島まで1日で88.3kmを歩いた。
 


雨で足が濡れてしまい、足の裏が水ぶくれに。
痛み止めを飲んでなんとかしのいだ

 

足の痛みを除くと順調な行程だったが、奥さんに電話をすると、これから通過する坂下(岐阜県中津川市)あたりで熊が出たという。夜も遅く、店も開いていない・・・。野営するのが恐くなって仮眠もそこそこに、6日目は午前1時に道の駅木曽福島を出発。そのまま翌日の16時まで約58kmを歩きとおし、道の駅きりら坂下そばの木曽川べりに簡易テントを張って宿泊。
 


旅の6日目。木曽川べりに簡易テントを張って泊まる。
ゴールまではあと30kmほど
 

そして徒歩旅最終日となった7日目(8月6日)は4時35分に木曽川べりを出発。11時50分に生まれ故郷の岐阜県付知(現中津川市)に到達した。地元の親族にはなにも知らせずに、突然しかも徒歩で故郷を訪れた早川さん。道の駅で仕事をしている姪の娘さんにばったり会って驚かれたが、とても喜んでもらえたという。

“生まれ故郷まで歩いてみよう”。ふと思いついたチャレンジは、「とにかく楽しかった」と早川さん。果てしなく感じる道のりも、時間をかければゴールできる。のんびりと道を歩いていると、上京した頃のこと、家族ができて、車を買って、まだ高速道路もない頃に国道を走って岐阜まで帰ったこと・・・。いろいろなことを思い出したそう。
 



毎日の行動時間や歩行距離、買ったものなどをノートに記録。
計画自体は緩めに考えるが、記録はきっちり残すのが早川流

 


30kgのコンクリートを段ボール箱に詰めて背負子にくくりつけた、
早川さん自作のトレーニング用グッズ。
これを背負って、週一回自宅周辺を6kmほど歩く。
実際に背負わせてもらったが、想像以上に重たかった!
 

300kmの旅を無事終えて、10月にはいよいよ27回目のハセツネCUPを迎える。「徒歩旅はハセツネCUPに向けたいいトレーニングになった」とのことだが、週に1度、30kgのコンクリートを背負って自宅周辺を6km歩くトレーニングは欠かすことなく、毎年出場している「西駒んボッカ」(今年は9月8日に開催)への参加と、調整には余念がない。2019年のハセツネCUPでも、早川さんの勇姿を見られることだろう。27回目の完走に向けて、早川さんのチャレンジに心からエールを送りたい。

写真・文=久田一樹(MtSN)

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