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連載エッセイ トレイルランナー山田琢也の「RUN FOR LIFE」 NO.008

2015.05.21

第8回 アラフォーのチカラ

 10km×5周のトレイルランレース。同じところを5周もするなんて前代未聞!? それってなにが楽しいの!?
しかし気がつけば立っていました、スタートラインに・・・。
文=山田琢也 写真=奥山賢治


 今回のレースは、その名も「Top of the trailrunner 50k in Japan」。さる5月2日に開催された、御嶽山噴火による災害に見舞われた長野県王滝村の復興イベントであり、国内初の招待制エリートレース。そしてポスターに堂々と書いてある文字=日本一決定戦!? 主催者のOSJ滝川さんにまんまと誘惑され、気がつけばやる気満々でやってきちゃった。きっと南国パパイヤ島の天下一武道会を前にした孫悟空の心境。ワクワクすっぞ!( ってみなさん、これ分かりますよね!? え? 『ドラゴンボール』が分かる人ってアラサー世代以降!? )
 


 レース前には順位予想のコンテストなんてものがあって、私たち出場選手をバンバンあおる。ちなみに事前予想順位はコチラ。

1位 東 徹
2位 上田瑠偉
3位 奥宮俊祐
4位 近藤敬仁
5位 荒木宏太
6位 小原将寿
7位 大杉哲也
8位 鬼塚智徳
9位 小川壮太
10位 大瀬和文
By DogsorCaravan.com

 予想順位リストを見てのとおり、日本全国からトレラン馬鹿大集合。いや、私のようなただの馬鹿じゃなく、もっと長く速く走れるチーター馬鹿とかプロングホーン馬鹿って感じか。私自身の予想は、「オレ優勝!!」と言いたいところだったけど、冷静に判断するとトップ10に入れたら上出来というくらいだった。フルマラソン2時間20分を切れるようなスピードもないし、100マイルを平気で走れる体力もない。そして若くもない。それでも勝負できる唯一の武器、“根性”がある。それだけは負けない。1978年製の意地をみせてやるっ! という気持ちだった。
 


コースを周回するたびに沢を徒渉する。冷たい雪解け水が気持ちいい!
 

 レースは序盤からハイスピード。そりゃそうだ、筋金入りの負けず嫌いたちの対決だ。しかし私は、周りの雰囲気に飲まれないよう、自分の走りとリズムをキープすることに徹した。レースが始まったら意識するのはライバルでも誰でもなく、自分自身と向き合うことが大切だと、今までのレースでこれでもかってくらい学んできた。体が動かなくなってからが、本当の勝負の始まりなんだ。

 周回を重ねるごとに、一人、また一人と追い抜き、じわじわと順位を上げていった。最終周回に入るところで、4位奥宮選手、5位鬼塚選手の背中が見えていたが、もう2人を捉えるだけの力は残っていなかった・・・。
「Top of the trailrunner 50k in JAPAN」。結果は6位。根性とやせ我慢で入賞圏内に滑り込んだ。

Top of the trail runner 50k in Japan リザルト


表彰式、見渡すとアラフォーだらけ。 あ、オレもか。
でもなんだか嬉しい気持ちになった


 私がトレイルランニングを始めたのは2007年、当時29歳だった。レースでは、その年のOSJシリーズチャンピオンの渡邊千春さんとよくご一緒させていただいた。千春さんとのレースは大抵、私が前半をリード。しかし最後には必ずかわされ、どうしても勝てなかった。なんで10歳以上も年上の千春さんに勝てないのか。俺の方が若いし体力はあると思うんだけど。そんな疑問や悔しさ、そして若いやつに負けない千春さんへの憧れがその後の私のエネルギーとなった。

 あれから8年が経ち、トレイルランシーンには若い力がどんどん入ってきている。でも、今回のレースでは優勝した小川選手や2位の東選手はじめ、アラフォー勢が上位独占。アラフォー強っ!! というか、しぶとい!?
私も、まだまだレースでは若い力に負けるつもりはない。

 ところでレース終了後。今日はたらふくビールを飲むぞー!!っと意気込んで帰ったものの、ヘトヘトすぎてたった1杯で就寝・・・。やっぱり年かな。

 

山田琢也(やまだ・たくや)

1978年長野県生まれ。飯山南高校~同志社大学ではクロスカントリースキー選手として活躍し、社会人となってスキーアーチェリーに転向。3年間のドイツスキー留学ののち、2007年ロシア世界選手権優勝。同年にトレイルランニングと出会い、以降トップシーンで活躍中。現在はスキーポールやワックスを取り扱う(有)ジェイエフデザインに勤務しつつ、NPO法人insideoutスキークラブのアクティビティリーダーとして、飯山・木島平を拠点にさまざまなアウトドアスポーツの魅力を発信している。

山田琢也公式Facebook

 

【連載バックナンバー】

第1回 クロスカントリーの世界からやってきました

第2回 信越五岳トレイルランニングレース110km レポート

第3回 レースをやめる決断について

第4回 アスリートと休養について その1

第5回 アスリートと休養について その2 

第6回 0.1秒差で負ける

第7回 信州のトレイルシーズン開幕!

 

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