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初来日した「走る民」ララムリ。彼らが日本のトレイルランシーンに残したものとは?

2015.10.08

 メキシコの先住民族「ララムリ」の伝説的ランナーであるアルヌルフォとシルビーニョが9月に初来日した。
 日本滞在中は、
ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)に出場したり、「ジュニアトレイルラン」というイベントではちびっこランナーと交流するなどした。

■ウルトラトレイル・マウントフジ
 レースそのものは2人とも途中リタイアという結果になった。しかしそれでも、2人を自分の目で見たい、走りを見てみたいという人が非常に多く、実際、特別な存在感を放っていた。


UTMFスタート直前、シルビーニョは最前列にいる
(ピンクのバンダナを頭に巻いた選手)。アルヌルフォも2列目にいる
 


シルビーニョ。本栖湖畔から烏帽子岳への取付点。この時点では4位、5位あたりを走っていた
 


アルヌルフォは同じ地点をシルビーニョより23分遅れで通過した
 


シルビーニョは大瀬和文と同時刻、16時10分にA3本栖湖を出た。
しかしその後に膝を痛め、A3富士宮でリタイアした
 


16時47分にA3本栖湖エイドへ入ったアルヌルフォ。
この時間帯にエイドに入る選手は急いで再スタートするものだが、
アルヌルフォはゆっくりとエイドの食べ物を見回し、
身延町名物の「ゆば丼」を手にとって食べ始めた
 


周囲からの熱い視線を気にする様子もなく、悠々と食事を続けるアルヌルフォ。
この人は我々と違う時間の流れの中にいるのでは、と感じた

 


椅子に腰かけて食べ続けるアルヌルフォ。
この時は何を思っていたのだろうか?
表情からは伺い知ることはできなかった
 

■”ララムリ” 来日記念懇親会
 9月29日には、東京のメキシコ大使館で「”ララムリ” 来日記念 懇親会」が開かれた。MtSNはここで、短時間ながらシルビーニョから直接話を聞くことができた。

Q.日本の印象はいかがでしたか?
A.日本は自然の風景や人がよかった。ドイツにも行きましたけど、日本のほうが好印象でした。

Q日本の食べ物はいかがでしたか?
A海の魚はもともと食べないけど、今日、生の魚を少しだけ食べました。おいしかった。

Q.日本の街はどうでした?
A.人が多すぎます。特に電車の中は。 ※追記:自然以外のものには興味がないようでした。

Q.ワラーチは日常用とレース用で同じものを履いているのですか?
A.ふだんの仕事のときは底が厚めのものを履いています。レースでは薄いものを履きます。

Q.もうちょっと日本にいたいですか?
A.今は一刻も早く故郷に帰りたいです(笑)。

 また、懇親会での質疑応答では、以下のようなやりとりがあった。

Q.トレーニングはしますか?
A.しません。強いて言えば、ふだんの畑仕事や水汲みがトレーニングになっているのかもしれません。

Q.ワラーチの紐に牛の革以外の材料を用いることはありますか?
A.紐に用いるのは牛の革だけです。丈夫なうえ水にも強いから。

 
 なお、「アルヌルフォはスペイン語があまり理解できないこともあってしゃべらないだけで、別に機嫌が悪いわけではありません。アルヌルフォも日本の皆さんの温かさに触れ、大変喜んでいます」とのこと。
 そして、2人ともUTMFをリタイアしたこともあって、「また日本に来たい」と話していた。
 


駐日メキシコ大使のカルロス・フェルナンド・アルマーダ・ロペス閣下とともに檀上に立

 


メキシコ国旗のカラーの民族衣装を身につけて。右がアルヌルフォ、左がシルビーニョ

 


こうした場面で話すのはシルビーニョのみで、アルヌルフォはじっとしている。
これがいつものスタイルだそうだ

 


アルヌルフォは言葉を発さず、「泰然自若」という雰囲気

 


アルヌルフォの足とワラーチ。足とワラーチの一体感が半端じゃない、と感じた
 


こちらはシルビーニョ。革ひもの色が黒いところがアルヌルフォとの違いだ

 

■「走る民」ララムリについて補足
 メキシコ北西部、コッパ―キャニオンと呼ばれる山奥で暮らす先住民族ララムリ(タラウマラ族)。深い峡谷に隔たれた山の上で、豆やトウモロコシを育て、文明を避けるようにひっそりと暮らす彼らは、「走る民」とも呼ばれている。

 ララムリの驚異的な長時間走力が西洋人の目に触れたのはつい最近のことだ。その過程については『BORN TO RUN 走るために生まれた』(クリストファー・マクドゥ―ガル著、NHK出版・2010年刊)に詳しいが、いずれにしてもララムリが西洋のランナーに与えたインパクトは大きかった
 例えば、ララムリが履いているサンダル「ワラーチ」が注目され、そこから「
正しいランニングフォームとは何か?」「かかと着地か爪先着地か?」といった論争が巻き起こり、ロードロップやゼロドロップのランニングシューズが普及したり、ワラーチを履く人が現われたりもした。
 ララムリの食事内容も注目された。トウモロコシやなど、ごく限られた食材しか口にしない彼らが、なぜあれほど強いのか? そうしたララムリへの興味から、ランナーの間にヴィーガンが増えてきたのは間違いないだろう。

 

■「ララムリ・ジャパン」について
 アルヌルフォとシルビーニョの来日は、トレイルランナー・マウンテンランナーの宮地藤雄さん(写真)が発起人となって立ち上がった、ララムリ・ジャパン実行委員会の尽力によって実現した
 隔絶された山奥に暮らしながら農業で生計を立て、現金収入の少ない
彼らには、遊びで外国に行くような経済的余裕はない。彼らがUTMFで優勝したとしても、賞金レースではないので、地域や村にお金を持って帰ることはできない。
 そこで
ララムリ・ジャパン実行委員会では、彼らの力になりたい方のためにドネーションのための口座を開設している。
・ララムリへのドネーション口座
ゆうちょ銀行 店番028 普通 1540719 ララムリ ジャパン実行委員会(ララムリ ジャパンジッコウイインカイ)

・ララムリ・ジャパン公式Facebookはこちらhttps://www.facebook.com/raramuri.japan?fref=ts

 

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