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[現地レポート:YUKON ARCTIC ULTRA 2016]第3回=第1日目(2月4日)

2016.02.12

取材・文=岡部美穂(アドベンチャーライター) 撮影=杉本淳


 カナダ、ホワイトホースのユーコン川ほとりにある、シップスヤード公園から長い長い道のりが始まる。天気は曇り、気温は、現地アウトドアショップで購入した温度計での測定で、この時期にしては高めの-12~13℃だ。
 距離は3種類。ソリを引かないフルマラソン、必要な荷物をソリに積み込んで引く、100マイル(160km)と300マイル(480km)。
 カテゴリーは、サバイバルに必要なギアを満載したソリを引きつつ走ったり歩いたりする「foot」(樺澤さんはこれにエントリー)、荷物を積載した「自転車」(雪道を走ることができるファットバイク)、ソリを引く「クロスカントリースキー」の3部門だ。
 長い旅路の始まりだが、選手はみな朗らかで、ギアチェックや友人とのおしゃべりに余念がない。なんと、足カバーをした犬と走るマラソン部門もある。クラシカルなドレスの女性も現われ、大会の雰囲気が盛り上がる。

 


ユーコン アーキテック ウルトラのスタート会場に現われた、クラシカルな服装の女性(撮影=杉本淳)
 

スタート集合写真。左下から二列目に樺澤さんがいる

 

 

 スタートと同時に選手たちが飛び出す。自転車(ファットバイク)とマラソンランナーが先行。思い思いのスピードで、スノーモービルなどで圧雪された雪の上を安定して走る姿は印象的だ。

 


3種目、3カテゴリーが一斉にスタートする。ファットバイク、フルマラソンのランナーが先行。犬と一緒の選手も見られる

 


手押しして進む自転車の選手。タイヤが極太のファットイクだって、圧雪されていない雪上は大変だ
 


スタート直後、落ち着いて歩を進める樺澤さん

 

 スタートを見送ると、車で次のポイントまで先回りする。レース展開を一望できる、ユーコン川のへりの崖上に先回りし、トップ選手から樺澤選手までを見送る。突っ込んで走るトップ選手に続くのは、「おおむね早歩き」の選手たちだ。樺澤さんを見つけて崖の上から大声援を送る。ここ数日続いた高温で川がオーバーフローし、溶け出した氷のせいで氷の割れ目から水があふれ、コースが浸水する事態が心配されていた。だが、目で見る限りでは、場所によりクラックが入っているものの、コースは安定しているようだ。


崖の上から選手を撮影。選手たちは氷結した広大なユーコン川の上を通る

 


氷結したユーコン川に走るクラックのすぐわきを通過する

 

 次に車でアクセスできるのは、Klondike Highwayを北上したタキニー橋。スタートから約20kmで、支流のタキニー(Takhini)川がユーコン川に合流する地点だ。ここはユーコン川まで降りていける地点で、間近で応援と撮影が可能なポイントだ。フルマラソンの選手には飲み水のサービスがあるが、100マイル・300マイルの選手にはなし。この辺りでは晴れ間が出て、凍ったユーコン川に影ができるまでに。快調な足取りでやって来た樺澤さんはカロリーメイトと飲み物をとる。ここからコースはユーコン川を外れ、タキニー川近くを進むことに。


約20kmのタキニー橋下で、軽食を取り出す樺澤さん。ソリの
中身がきちんと区分されていないと、気温が低下した時に
無駄に体力を消耗するので、整理整頓は重要だ


 夕刻、初めてのチェックポイント(CP)、フルマラソンのゴール地点でもあるリベンデルファームに先回り。コースであるタキニー川から数分登った先がCP。16時21分に到着した樺澤さんは、温かいシチューと、日本のものよりふた回り大きなサンドイッチを2切れと、甘くて濃厚なチョコレートケーキを提供される。
 


約42km地点のリベンデルファームに16:21に到着した樺澤さん。安堵の表情がうかがえる

 


CP1 約42km地点のリベンデルファームで大会側から提供された食事。
ボリューム満点だ。樺澤さんが食べたのは、シチューとサンドイッチ1枚

 


CP1の42km地点、リベンデルファームで焚き火にあたりながら早めの夕食をとる樺澤さん。
フードに縫い付けられているのはタヌキの毛皮

 


CP1で熱々のお湯をテルモスに入れてもらう。
フリーズドライの食事が多いので、お湯がぬるいと温かい食事にありつけない

 

 「温かいシチューはおいしい」とご機嫌な様子。サンドイッチを一切れ食べると、「お腹いっぱいだー」と、小食ぶりを発揮。まあ、42kmをサブ3で走る彼ならではか? 周囲の大柄な選手に比べて燃費がいいのだ。いかにも甘そうで(実際、あとで同種のケーキを食べたらかなり甘かった)、甘党ならウェルカムだが、ソフトな甘みに慣れた我ら日本人にはガツンとくるお味。食べごたえもありそうだ。ホワイトホース在住の日本人マラソン選手と歓談し、新たに熱いお湯をもらって再出発。滞在時間は45分程度。しかしトップ選手は3分しか立ち寄らないというから驚きだ。

 車で入れる110km先のCPにて2日後の再会を約束し、樺澤さんは暮れ行く川に元気に戻っていった。

 

※リンクしているYoutube動画は、1日目、タキニー橋下で捉えた樺澤さんの様子です。

 
 
 

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