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MtSN 2016新春イベントレポート(その1)。鏑木毅、石川弘樹が書き初めを披露し、今年の抱負を語る

2016.03.23

取材・文=奥山賢治 写真=小関信平

 

 日本のトレイルランニングの黎明期からトップランナーであり、レースオーガナイザーとしても活躍している鏑木毅さんと石川弘樹さん。

 昨年同様、この2人のトップランナーをメインゲストに、MtSN新春企画「鏑木毅&石川弘樹トークイベント」が、2月7日(日)、東京・千代田区で開催された。

 スペシャルゲストには、2015年からプロトレイルランナーとして本格的に活動を開始した奥宮俊祐・小川壮太の両選手を迎え、プロトレイルランナー4人が揃う豪華なイベントとなった。司会進行は、走るアナウンサー・浅利そのみさんが務めた。

 東京都自然公園利用ルールの策定、行政主催の大会が初開催されたり、日本トレイルランニング会議や日本トレイルランナーズ協会などといった団体等によるフォーラムが開催されたりと、トレイルランのマナーやルール、そのあり方や将来が問われる昨今。5時間にもおよぶロングトークイベント。いったい何が語られたのだろうか……。

 



<オープニング> 今年の書き初めを披露

 北海道でスノーシュー、ファットバイクといったスノーランの大会を楽しんできたばかりの、石川弘樹さん。
 震災を経験した子どもたちに向けた授業「スポーツこころのプロジェクト」で先生を務めてきたばかりの鏑木毅さん。
 昨年の書き初めで両選手が記した言葉は、鏑木選手が「義」、 石川選手が「開拓」だった。
 今年、2人は次のように記した。石川さんは「成」、鏑木さんは「抗う」。
 

 成す、成るの意味。今年も、新たな、長期的な挑戦をしようと思っています。肝に銘じる意味を込めました。

 

 

 これ読める人いるかな(笑)。抗う。今年48歳なんで。いよいよ50歳に近づいてきて、肉体は衰えていきますが、まだまだ現役にこだわって、抗っていきたい。また、チャレンジしていく意味も込めました。

 

 

 

 


[石川弘樹の2016年

1.思想を広げる
2.有言実行
3.トレイルランニングの魅力、レースの質を高める

 

 「思想を広げる」。
 トレイルランナーとして活動して15年。トレイルランニングの楽しみ、魅力を伝えてきましたが、最近、そのあたりがあまり表現できてない。自分のメッセージをトレイルランニング界に伝え、(自分なりの)思想を広めていきたいなと思っています。ランナーも、大会も、メディアも増えてきたこともあり、これまで以上に強くアピールしていきたいな、と。自分のブログを再開して、アツく想いを綴っていきたいと思っています。
 
浅) 2つ目は「有言実行」。

 思っていることを、毎年、自分の活動を、コンプリートしたいと思っています。ですが、なかなかケガやスケジュールとかで、できないこともあるので。今年こそは、自分がやろうとしていることを実際に伝えて、一つ一つ、クリア(達成)していきたいなと思っています。今年、トライしようとしていることが、長期にわたることなんです。あまり、まだ言えないですけど(笑)。どれも、1カ月以上かかることばかりですが、ちゃんと着工できる1年にしたいなって思っています。

浅) これまでは、有言実行されてたんですか?

 
 実は今までは、1年の活動を公表してなかったんです。そこをあえて口に出して、自分にプレッシャーをかけるわけではないですけれど。活動していきたいな、と。僕の仕事は走ることなので。そこを全うしていきたいなと思っています。

浅) プライベートで走る分には気持ちは楽ですよね。でも、仕事で走るって、どうですか?

 山にいられるときは、どんな状況でも楽しいですね。そうじゃないときは、もやもやしてます。やりたいこととやっていることが違うかな、って葛藤はありますね。
 

浅) どう解消してるんですか?

 自分ができていることを幸せに感じること。走りたいけど、走れない人もいますよね。だから、自分が好きなことを仕事にしてることの喜び、幸せを、改めてかみしめるんです。
 

浅) ケガをして走れないランナーへのアドバイスは?

 ケガは治ると思うんです。持病もありますが。走りたくても走れない人は、世の中にはたくさんいますよね。そう考えると、ケガは治すことができる、体を動かすことができることは、とても幸せなこと。それに、ケガを快復した後に得られるエネルギーはすごい強いんですよ。ケガの時のストレス。快復した時の喜び。ものすごく、パフォーマンスを上げてくれます。
 ただ、焦ってはいけませんが。決して、ネガティブに考えず、無理せず、今できることをすることが、気持ち的に楽になると思います。なんにも考えないこともいい。僕自身、ケガして走れないときは、走ることをまったく考えないです。違うスポーツをします。走ることを意識したエクササイズをする程度です。

浅) 話は変わりますが、先日、フットサル大会「石川弘樹カップ」がありましたよね。

 サッカーをしていた自分の名前が冠につく大会なんて、非常に嬉しいこと。6チーム各10名くらいが集まってくれました。上田瑠偉くんも来てくれて、全員トレイルランナーで熱い大会でしたよ。僕自身、童心に返って楽しんでました。
 

浅) 3つ目。「トレイルランニングの魅力、レースの質を高める」

 トレイルランニングの魅力に関しては、楽しむこと、楽しみ方を伝えてきました。そこに、新たな魅力を伝えられたらなと、思っています。
 現在、プロデュース、アドバイザーとして9つの大会に携わっています。個々のレースの質を高めたい。各大会にそれぞれ魅力があります。斑尾高原トレイルランニングレースに関しては、今年で10年目。今年は、初心に戻って、大会の質、細かい点などをケアしたいと思っています。
 一つ、二つ、新しい大会が増えるかもしれません(笑)
 大会は、トレイルランニングの普及活動の意味もあります。僕もプロですから、ビジネスとして活動しなければいけない点はありますけど。大会をプロデュースすることによって、健全な大会の仕方、やり方を伝えたいんです。
 単なるレースを開催するだけのプロデュースはしたくない。トレイルランニングの普及活動としてのプロデュースをしたい。そこの質を高めていけたらな、と思っています。

浅) 大会プロデュースを引き受ける条件はありますか?

 大会を健全に開催するために、コースのキャパに無理があるレースはしたくないです。でも、僕が断れば、他の方が(プロデューサーを)やることになると思うので、葛藤するポイントです。だから、(大会事務局等に対して)説得をすることはあります。
 斑尾の大会に関しては、当時、第1回目を開催するにあたり、地元の方は、日本山岳耐久レース、北丹沢12時間山岳耐久レース、富士登山競走、ハコネ50Kなどを下見し、数千人の選手が参加している大会を目の当たりにされて……。そこで、僕が(斑尾は)300名でやりたいと言った時に、テンションがガタ落ちなんですよ。地元の方が納得できる大会に仕上げるのに、3年ほどかかりました。
 大会の質を保ち、選手が渋滞することなく、トレイルを傷めることなく、選手はレースやトレイルのファンになってもらい、そして、スタッフにはポリシーを持って大会に携わってもらう。これらを願いながら、10年やってきて、今に至る感じです。

浅) 滞があるレースはどう思われますか?

 個人的には、あってはならないと思っています。エントリーフィーは選手全員が平等に支払っているわけで。スポーツだから、フェアであるべき。
 ただ、主催者はエントリーフィーの中から運営費を捻出しなければなりません。参加者を増やすか、エントリーフィーを上げるかで葛藤もあります。参加者を増やしたら、人数にあったコースレイアウトを考えなければならない。トレイルには限りがあるので、渋滞を避けたコースレイアウトをすることは難しいですが、そこは大会主催者の力量が問われる点だと思います。
 コース上の渋滞は致し方ない場合もありますが、前もって明らかにわかる際は、抗議するべき。また、自分から出場しないのも手段です。渋滞で休めるからいい、という人もいますけどね(笑)。

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