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【連載】 山田琢也と奥宮俊祐の「TRANS ALPINE-RUN 2016」レースレポート 第7回:6thステージ

2016.11.29

2016年9月4日~10日に開催された「トランスアルパインラン 2016」に出場した、山田琢也選手・奥宮俊祐選手。MtSNでは、山田選手・奥宮選手の現地レポートをFacebookを通してお届けし、大きな反響を呼びました。
連載第7回は、足裏のケガに苦しみ、「もしかしたら完走できないかもしれない」という不安を抱えた山田選手が、パートナーの奥宮選手にある言葉をかけます。“チームで戦う”とはどういうことなのでしょうか?

「トランスアルパインラン」は、ドイツ・オーストリア・イタリアを通過する総距離247kmのトレイルレースで、特徴は、7日間のステージレースであること、そして2人1組で走らなければならないということです。山田選手・奥宮選手がトランスアルパインランに出場することになった経緯は、下記の記事をご覧ください。

「山田琢也選手と奥宮俊祐選手がぺアを組み、7日間のステージレース、総距離247kmの「TRANS ALPINE-RUN」に参戦!」

 

《山田琢也選手のレポート》
6th Stage: St. Leonhard in Passeier — Sarnthein 
Distance: 35.0km / pos. vertical: 2440m / neg. vertical: 2153m
・男子5位 4時間38分
・6日目総合成績 7位

 

今までの景色と違うことに気づく。我々はヨーロッパ南アルプスに着いた。世界的に有名なドロミテ渓谷を背景に、アルプスの草原、険しい峰、色鮮やかな湖、わくわくするような景色が広がるこのステージには、過酷で手強いバーティカルが待ち受ける。最高標高は2683mにまで到達する。 

 

昨夜はほとんど寝られなかった。足の疼きもそうだが、今日のレースが最後になるかもしれないという不安と、何が何でも前へ進みたいというプレッシャーがあった。せっかくここまでやってきたのに、チームメイトのおっくん(奥宮選手)やトレーナーに申し訳なくて、情けなくて、悲しくて、 悔しかった。でも、歩くのもやっとの状態だった。

 

スタート前。迷いに迷って、おっくんに私の考えを伝えた。「もし俺が動けなくなったら先に行ってほしい」と。上位を狙って出場している以上、動けなくなった時点で我々の目標は絶たれる。 おっくんの勝負に対する貪欲さをここまでのレースで感じていたし、また私の弱さ、遅さにイライラしているんじゃないか、そんなふうにも思っていた。単独走になることで、チームとしてのフィ ニッシュはないけど、せめておっくんが自分で納得する走りをして、ここにいるライバルたちと思う存分戦ってほしいという気持ちだった。でも、おっくんが掛けてくれた言葉は、私が考えていたものとはまったく逆のものだった。チームとしてのレースを考えていなかったのは私のほうだった。

 

何かが吹っ切れてスタートを切った。トレーナーの完璧な処置と痛み止めで、上り坂では足裏の痛みを感じなかった。下りでは唸るほど痛かったけど、一歩一歩を大切に、丁寧に、やれることを全て出し切ろうと思っていた。その想いが最後まで途切れることはなく、予想以上にいいタイム、 順位でフィニッシュできた。

明日は最終戦。ベストを尽くして何としてもフィニッシュしたい。

 

■奥宮俊祐のコメント

スタート直前、琢也さんから「もしダメだったら1人で先に行って」と言われた。前日の足裏のマメの状態を知っているだけに、琢也さんの不安と痛みと悔しさはよくわかった。だからこそ、「運命共同体だから最後まで一緒に行く」。何があってもチームとして進むことを決意してスタートした。

「チームとして最も速くフィニッシュする!」。そのためにできる対策を練り、実行した。私が引っ張るだけではなく、もっと助け合い、琢也さんの力を最大限引き出せるように意識した。装備は私が持ち、登りで無理せず、後半重視。登りは歩き中心ではあったが、ダラダラせずリズムよく進むことで順位を上げることができた。下りでは、足の裏の皮が破れ激痛に耐えながら走ってくれた琢也さんに感謝! チームとして最善の結果が出せた。いよいよ、明日は最終日。

 

 


スタート前。おっくん、泣かせるね~!

 


足裏の痛みがひどく、鉄板の上を裸足で走っているようだった

 

 


川でアイシング

 


完璧なケアをしてくれた藤原トレーナーに感謝!

 


今度はレースではなく、ゆっくり訪れたい場所です

 

 

【連載】 山田琢也と奥宮俊祐の「TRANS ALPINE-RUN 2016」レースレポート 第1回:レース前日

【連載】 山田琢也と奥宮俊祐の「TRANS ALPINE-RUN 2016」レースレポート 第2回:1stステージ

連載】 山田琢也と奥宮俊祐の「TRANS ALPINE-RUN 2016」レースレポート 第3回:2ndステージ

連載】 山田琢也と奥宮俊祐の「TRANS ALPINE-RUN 2016」レースレポート 第4回:3rdステージ

連載】 山田琢也と奥宮俊祐の「TRANS ALPINE-RUN 2016」レースレポート 第5回:4thステージ

連載】 山田琢也と奥宮俊祐の「TRANS ALPINE-RUN 2016」レースレポート 第6回:5thステージ

「山田琢也選手と奥宮俊祐選手がぺアを組み、7日間のステージレース、総距離247kmの「TRANS ALPINE-RUN」に参戦!」


山田琢也&奥宮俊祐による「トランスアルパインラン2016報告会」の参加者募集中。12/5(月) 19:30、東京・神保町で開催
 

Trans Alpine Run 2016 スケジュール 

9/4 第1ステージ / 36.5km (2088m)
ガルミッシュ-パルテンキルヘン(ドイツ)→レルモース(オーストリア)

9/5 第2ステージ / 33.8km (2023m)
レルモース(オーストリア)→イムスト(オーストリア)

9/6 第3ステージ / 47.9km (3037m)
イムスト(オーストリア)→マンダルフェン-ピッツタール(オーストリア)

9/7 第4ステージ / 25.9km (1887m)
マンダルフェン-ピッツタール(オーストリア)→ゼルデン(オーストリア)

9/8 第5 ステージ / 33.3km (1453m)
ゼルデン(オーストリア)→サン・レオナルド・イン・パッシーリア(イタリア)

9/9 第6ステージ / 33.6km (2440m)
サン・レオナルド・イン・パッシーリア(イタリア)→サレンティーノ(イタリア)

9/10 第7ステージ / 36.4km (1934m)
サレンティーノ(イタリア)→ブリクセン

総距離247.2km 累積標高1万4862m

()内は累積標高

 

Transarpine-Run 公式ウェブサイト http://transalpine-run.com/en/

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