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「TJAR2016 - 鉄人たちの熱い夏」Ver.4 望月将悟、新記録達成と4連覇の軌跡【後編】

2017.01.17

取材・文=松田珠子 写真=山田慎一郎

「望月将悟、新記録達成と4連覇の軌跡」後編は、TJAR2016後の16年9月に静岡・大浜海岸で行なわれたインタビューをお届けします(『山と溪谷』2016年11月号掲載記事を一部加筆修正したものです)。
 


 

 2016年9月21日、TJARのフィニッシュ地点である大浜海岸。前日、台風16号が東海地方に最も接近した。幸い、静岡近郊は大きな被害はなく台風は21日に温帯低気圧になったが、消防士である望月は、当日の朝まで、いつでも出動の要請に対応できるように待機していたという。
 台風一過で晴れ間が出ていたものの、風は強く、太平洋は白く波立っていた。まだ強い日差しが夏の余韻を残すTJARゴールの地で、望月将悟選手に4度目の挑戦を振り返ってもらった。

 

 

 

――今大会は、レース前から調子がいいと語っていましたが、その言葉通りのレースでした。
 「今までは、TJARが近づくと『大丈夫かな』と不安に感じることもありました。今回はそういうのもまったくなく、レースが待ち遠しかった。レース中は、足が痛かったり、多少はつらいところもあったけど、連覇を狙うとか記録を出さなきゃとか、そういうプレッシャーは感じずに、楽しく進めた。自分の中でベストを尽くしたし、出し切れた。今までは、終わってから『もう少しあそこでこうすればよかった』と後悔するところがあったけど、今回はそれがない。4回目にして、初めて悔いのないレースができた。すっきりしています」

 


 

――ゴール後、「応援力を感じた大会だった」と。
 「以前は、周囲から連覇や記録を期待される声が多かったのが、今回は『自分のために走ってよ』とか『途中でやめてもいいよ』と寄り添ってくれるような声が増えた。2回、3回と応援してくれて、ゴールの姿を見て、TJARを理解してくれているなと」

――今回はどのような行動計画だったのですか?
 「1日に何時間寝る、というのは決めず、自分が寝たいときにちょっとずつ寝るというスタイルで行きました。効率がよいとはいえないけど、自分には合っている。前回のTJARや昨年のトルデジアンでは、1日3時間とかここのポイントで何時間寝るとか決めたんです。でも例えば3時間寝ようと決めても、周りの音が気になったり後ろから追われるプレッシャーで結局ぐっすり寝られず、あとで『やっぱり寝なければよかった』と後悔することもあったので。今回の睡眠時間は合計で8時間くらい。今まででいちばん少なかった。今までは眠気で耐えられないときもあったけど、今回はそういうことが今までと比べて少なかったですね」

――ゴール後には、序盤から紺野選手と前後しながら進んだことが記録につながったともお話していました。
 「紺野さんも5日切りは意識していたと思います。今回が最後のつもりだとも言っていたし、そのくらいの気持ちでやらないと、満足いく結果は出せない。今までの紺野さんを見てきて、つらい場面を乗り越える精神力はものすごいなと。自分がちょっと気を緩めたら、追いつかれるだろうなと思っていました」

――後半もペースが落ちなかったのは何がよかったと思いますか?
 「天気がよかったのは大きいですね。今までは雨が多かったので、雷鳴が聞こえたり、先にぶ厚い雲がかかっているのが見えて、『怖いな』『行きたくないな』と怖気づくところがあった。でも今回はずっと先の景色や星空がきれいに見えて『早く先へ進みたい!』という感じでした。今回、暑さにやられている人もいたようですけど、僕は暑さもあまり気にならなかったです」

――今大会は、かなり体を絞られているように見えましたが。
 「レース前に絞ったということは特にないですね。レース中はあまり食べなかったので体重は落ちましたね。水分は多めに摂りましたけど、食べ物は体が欲しなかった。受け付けなかったというよりも、必要としなかった感じです」

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